人をうらやましく思うとき
以前働いていた職場の同僚と一緒に、よく飲みに行ったり、スノーボード行ったり、マブダチのような関係で遊んでいました。
そいつの事をTと呼ぶことにします。
Tは私よりも一歳下の大学院卒。頭がよく、仕事もできる期待の新卒でした。
なぜ期待の新人だったかというと、工業大学の院卒なんですが、在学中にすでに他の企業とのコラボで、製品試作のようなものを作っており、教授がその企業の顧問的な感じだったらしく、私が派遣された技術の中ではすでに製品を扱ったことのある人間でした。
この人の何がいいって、性格的なところ。
人にやさしく、気のきく人間です。容姿もまぁまぁ。今ではハゲはじめてるけど。
そんなTとは同じ課にいる時は、それほど仲良くもなく、まぁ普通にしゃべるぐらい。プライベートでも会うこともありませんでした。
しかし、部署が変わってから、なぜかプライベートでもあうようになり、飲みに行ったり、友達よんで遊びに行ったり、家に行ったりするようになりました。一番は毎週のようにスノーボードに行くようになったこと。
本当に仲が良かったです。
そんなTとも、私が上京することをきっかけになかなか会えることが難しくなってきて、お互いあまり現状とかも連絡しなくなってきました。
でも、Tが出張のときにあったり、たまに旅行で東京に来るときはみんなで遊んだりした。
そんなTとも10年以上経ち、今の二人を比べてみると、ベクトルが全く違う方向に進んでしまった。
最初は機械の技術でやっていた私も、半導体、電機、機械と現在では何でも屋になっている。
じゃあTはというと、新卒で入社した企業でバリバリやっているわけです。
その企業も世界的に有名な企業で、その筋では世界シェアNo.1,2ぐらいのもの。
1つの企業に10年も勤めれば、何万の社員数でも、だいたいの主要な人間とはかかわるもので、T氏いわく社長付近ともたまにかかわるそう。
給料も恐らく、結構な額までいっていることや、将来TL、GL、部長はもう決まっているようなものです。
では何がうらやましいか。
新卒で入社した人はわかると思いますが、同僚がいるということです。
しかも、大手の企業というと何十人、何百人の同僚がいきなりできるわけです。
これは、中学、高校、大学の入学とおなじようなもの。
しかし、違うところは、皆ベクトルが一緒であることだと思います。
学生のころのように(私だけかもしれないが)、今が楽しければいい。とりあえず大学はいって遊ぶ。なんとなく将来のために大学入った的な、安易な考えではなく、数多くの企業から自分のやりたいことを選び、入社試験を潜り抜けた優秀な人材といきなり沢山知り合えるすばらしさ。
まさにこれだと思います。
Tは、大卒で入社し、給料も年々あがる。出世も順調、結婚もして子供もでき、20代でマイホームをもつというすばらしい環境になっている 。
それよりも私はその同僚、友人と出会えたことがこれからの人生に大きな影響をもたらし、一生の宝となるものだと思います。
私は、派遣として色んな企業の技術中枢へいき、色々中身を見たり経験させてもらいました。
中途採用で正社員も何件か務めさせてもらいました。
そこで、なにが足りないかはやはり、同僚というもの。これほど力になってくれる存在はないと思います。
確かに、おさななじみや学校の友人などもとても大切な存在で一生物です。
しかし、企業で生き抜くためには同僚の力というのは自分の力を2倍3倍にできる存在です。
派遣でも中途採用でも、同僚と呼べる存在がほしいものです。